第8章 ……さよ、なら…?
「…ん~っ分かったよぉ!!回復するまで外には出ないっ!!」
「えっ?」
「ただしぃ、回復するまで。だからねぇ?」
「…は、はいですわぁっ!」
意外に、すんなりと言うことを聞いた紅覇に、紅玉は驚いた。
抵抗すると思ってたのに…
自分でも、だいぶ弱っていたことに気づいていたのだろうか。
「…紅覇お兄様が回復したら、私も…一緒にルナちゃんを捜しますわぁ。」
「紅玉も?」
「ええ。
…心配ですもの…。お友達のルナちゃんが今、どこに居て何をしているのか……気になって仕方ありませんものぉ。」
「ふーん…僕だけじゃなかったんだぁ。」
「っあ、当たり前ですわっ!!
紅炎お兄様も、紅明お兄様も…みんな、ルナちゃんを心配していますわよぉっ!!」
「え、そうなのっ?」
「紅覇お兄様だけではありませんのよぉ。」
紅玉の言っていることは、事実だ。
紅炎も、紅明も…白瑛も白龍も、夏黄文だって魔導師たちだって、みんなルナのことを心配しているのだ。(ジュダルはよくわからない)
「だから紅覇お兄様、…一人で背負い込まないでください…。」
「…」
「みんな、同じ気持ちですのよぉ?」
俯く紅覇に、紅玉は優しく話しかける。
すると──…
「……ルナ…」
ポツ…と、布団の上に、一つの染みができた。
「っ、お兄様…」
「…会いたいよぉ…ルナにっ…」
「っ…私も、ですわぁ」
無事に帰ってくることを、信じてる……。
だから───ルナちゃん。
お願い…
早く戻ってきて……。