第2章 僕の猫
「よぉ~し。ネコー、おまえ、なんて名前がいいの?」
『…』
「答えるわけないかぁ」
僕は、ネコを両手で抱え、馬車にまた乗り込む。
動き出す馬車に揺られながら、服が汚れるのも気にせずにネコをいじる。
「う~ん…」
悩み続ける紅覇。
馬車もだいぶ走り、煌帝国が見えてきた。
そこに、馬車引きの声が紅覇にかかる。
「紅覇様、そろそろお着きになりますよ」
「あ、そう」
どうでもよく返事をし、猫を見つめる。
…白い毛に、青い目かぁ。
これといって、いい名前がみつからない。
「…あっ」
ふと、頭にいい名前が浮かび上がる。
「決めたよ~ネコ、」
ネコはスッと顔をあげる。
「おまえは今日から、『ルナ』だよー。僕の可愛いペット♪」