第11章 ありがとう…。
また、次の日。
ルナの────ルナとの、最後のお別れの日。
「ぅっ…やよ…嫌よルナちゃんっ…こんな、いきなり……私、信じませんわぁっ!!」
泣き叫ぶ紅玉。
「姫…っ」
止める夏黄文。
「だっ、て、数日前までは普通にっ…お話してたじゃない!」
何もかも……
ノイズが混ざっていた。
「落ち着いてください姫君っ」
「嫌よっ!!ルナちゃんっ…わあああぁぁ…っ」
「うるっせぇなーババア」
「っ!」
「っ…何よぉジュダルちゃんっ…こんな時に何を言っているのよぉっ!?」
「黙れっつってんだよ」
「っな」
「みんな辛いんだよ。てめぇだけじゃねぇ。」
「っ!…わ、分かってるわよぉっ…」
「一番辛いのはお前じゃねぇだろ」
「ぇ…?」
「っ!」
「ジュダル、殿…?」
「っ」
「…」
「……───」
紅玉、紅炎、紅明、白瑛、白龍、そして…僕。
みんなが、一斉に顔をあげて、ジュダルを見た。
「こん中で、一番辛いのは誰だ?
考えりゃ分かるだろーが」
僕の胸に、強く響いた。
ジュダルくん…
「分かるだろっ?紅玉」
「っ…」
「紅覇が一番辛いんだよっ!!!」
ツ──…と、頬に涙が伝った。
「分かるだろっ、そん…くらいっ…」
ジュダルくんも…目が潤んでいた。
ねぇ、ルナ……
今日、こんなに天気がいいんだよ…。
太陽が踊って、笑ってて…
まるで、太陽が…
ルナを迎えに来てくれたみたいだねぇ…。