第9章 私の一人旅
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『けほっ』
「……」
「どうしました?ヤムライハ」
医務室の先生と話をしてきたヤムライハが、ジャーファルとルナのところに戻ってきた。
浮かない表情をしていることで、ジャーファルとルナは心配になる。
「…ルナちゃん、」
『っ、?』
「…最近、煌帝国で……肺とか、ぶつけた?」
『こほっ…ぇ?』
「っ、どういうことですか?ヤムライハ」
ヤムライハに言われて、ルナは考える。
…肺は、ぶつけていない。
でも……背中なら…
『背中、なら…ぶつけたよ…ゴホッ』
「…そう…」
勿体ぶらないで、早く教えてほしい。
ルナの気持ちが焦る。
「……肋骨に、ヒビが入ってる…ですって…」
『えっ?』
「はっ?」
俯いて呟いたヤムライハ。
ルナとジャーファルは、思わず聞き返した。