第9章 私の一人旅
~ジャーファルside~
「…気を失っているだけだと思います。
っでも、かなり水を飲んでいて…その上、睡眠不足もあるかと…」
「睡眠不足、ですか?」
「ええ。」
…その大切な彼の看病に、精を出しすぎたのでしょうか?
落ち込むシンドバッドを放っておき、ジャーファルはヤムライハと話を続ける。
「命に別状は?」
「それはありません。
きっと、疲れがたまって…溺れたことで、気を失ってしまっただけだと思います。
すぐに目が覚めるはずですよ?」
「そうですか…なら良かったです。」
安否を確認し終わり、ジャーファルは胸をなで下ろした。
「とりあえず今は、客室にでも寝かせておきましょう。」
「ええ、そうします。
…彼女の名前は?」
「ルナ…といいましたか。」
「あ、はい…」
「ルナちゃんです…」
ヤムライハは、夫婦の言葉を聞き…
彼女をルナと認識した。
「それでは、連れて行きます。」
「はい。宜しくお願いしますよ、ヤムライハ」
ドラコーンやヒナホホに慰められているシンドバッドに、一瞬だけ目を向け…
ジャーファルは、夫婦に向き直る。
「彼女のことは、後は我々に任せてください。」
「ぁ…ありがとうございますっ…!」
「どうか、ルナちゃんを宜しくお願いしますっ…」
「はい。」
にっこりと、優しく微笑んだ。