第4章 男子会・春日山城城下の大衆食堂に於いて
戦の後始末も落ち着き平穏な日々が続いてたある日、
突然、信玄様に飯に誘われた。
誘われたのは佐助、俺、それに謙信様の三人だ。
謙信様も行くって事はてっきり高級料亭にでも連れてかれんのかと思いきや、いざ到着してみると ごくフツーの食堂で。
若干の違和感を感じたが、言われるがままに席についた。
どっちにしても謙信様がこういう誘いに乗ってくんのは珍しい。
何かと誘っても、戦と酒の席以外は たいがい来ねーのに。
………
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「さて、今日は何を頂こうか… とりあえず食前に大福餅を」
「食前酒みてーに甘味食うのはやめて下さい信玄様。つーか ここ大福あんのか?あ、俺 天丼のメシ大盛り」
「俺は鯖の味噌煮込定食をお願いします」
「この店一番の酒を持て。今すぐに、だ」
各自が好きな品を選んで注文した後、他愛ない雑談で時間をつぶす。
謙信様は店主を急かして酒を運ばせ、早速ひとりで煽り始めた。