第3章 手と手を繋いで/視点違い
足がピタリと止まる。
秀吉さん、
そこはスルーして欲しかった……
起きぬけに、思いっきり言ってしまったんだよね…『さす(けくん)』…って。
「えーと………」
うわ、秀吉さんが怪訝そうな顔でこっち見てる。
この間の髪飾りの時と同じパターンだ。
いくら寝言に近くても、佐助くんを連想させるようなことは回避しないと…!
「…『さ、ス』ズメに餌やらなきゃ…って…思って……」
「雀に餌?」
「う、うん。最近、朝イチの日課にしてるの」
「そうだったのか」
我ながら苦しい言い訳だと思うけど、
秀吉さんが納得してくれたので、エヘヘと笑って誤魔化す。
敵国の忍である 佐助くんの名前や大方の素性は、実はもう全武将に知られていて。
いくら同郷の友人とは言え、近づかないように言われてる。
だから佐助くんと逢ってることは勿論、連絡を取り合ってることも言えない。
今は冷戦状態だけど、くれぐれも気を許すなって……
まぁ、気を許すどころか大好きなんだけど(♡)