第3章 手と手を繋いで/視点違い
佐助くん、泣かないで
そばにいるよ
ずっとそばに……ーーー
………
………
ん…
あれ……?
ここ…私の部屋だ。
「佐助くん」
………
……居ない?
あ、
そっか…
これ、夢かも…………
だんだんと意識がはっきりしてきて、自室の布団の中にいることに気付く。
最近、佐助くんの夢を見ることが多い。
今日はいつにも増してインパクトのある夢だった上、
まるですぐそこに佐助くんが居たような…そんな感覚まであった。
恋煩いもここまで来ると重症だ。
今も部屋のどこかに居るんじゃないかって
そんな気がしてならない。
「佐助くん…いるの………?」
『気がする』で終わらせたくなくて。
自分の直感を信じて、何処ともなく声を投げかける。
「いるんでしょ……?」
願うように、もう一度。
すると…
「うん…居る……莉菜さん、こんばんは…」
…!
姿は見えないけれど確かに今、声が聞こえた。