第9章 真夏の個人授業〜教え子の甘い誘惑〜/R18
「莉菜さん、こんにちは」
約束の時間に、天井裏から莉菜さんの部屋にお邪魔する。
「佐助くんいらっしゃい… って、ボトボトだ!ちょっと待ってね、えーと 手拭い手拭い……」
急な雨に降られ ずぶ濡れになってしまった俺の頭を莉菜さんが丁寧に拭いてくれた。
「今日は残念だな。こんなに降ってたらどこにも行けない」
「ほんとにねー、でも仕方ないよ。天気だけはどうしようもないもんね。…はい、出来ました」
「ありがとう」
おおかた髪の水分を拭き終えて、莉菜さんが手拭いを干す。
全く… 午前中は晴れていたのにここまで急変するとは。
あれだけうるさく鳴いていた蝉も、雨が降り出してからはピタリと静まり返っていた。
「ねぇ 佐助くん」
「ん?」
「あの… 良かったら、上も脱いで?濡れたままじゃ風邪引くし……」
「いいの?じゃあごめん、ちょっと失礼して」
確かに、着物も色が変わるくらいに濡れている。
お言葉に甘えて上半身の着物を全て脱ぎ、衝立に引っ掛けて干させてもらった。
「早く乾くといいんだけど」
「う、うん… そうだね…」
恥ずかしいのか、あまりこっちを見ようとしない莉菜さん。
なんだか申し訳ないな。
肌着までは脱がずにおいた方が良かったか…
でも今さら着るのも不自然だし、そのままでいることにした。