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イケメン戦国【秘密の花園】

第8章 秘密の花園/後編




「えーーーーーッ!!!」


夕日が差し込む部屋の中に、またもや私の叫び声が響き渡る。


「お晴ちゃん 政宗のこと好…… もがっ!」

「莉菜様!お静かに…!!」


お晴ちゃんに口を塞がれた。


「もがが…」


そうだったんだ…

そうだったんだね…!

お晴ちゃんの作った巾着が、なんとなく政宗ぽいなぁと思っていたら。

政宗の前で、やけに緊張してるなぁと思っていたら。

なーんだ、そういうことだったんだ…!


「莉菜様、この事は何卒ご内密にお願いいたします」

「んっんー!(オッケー!)」


コクコク頷きながら指でオッケーサインを作ると、お晴ちゃんが口から手を離してくれた。


「決して許される想いではないと、頭では分かっているのですが…」

「お晴ちゃん………」


お晴ちゃんの目が、切なげに揺れる。


「でも…… 普段、お話する機会すら滅多にないのに… 今日は政宗様お手製のきな粉餅を頂けて… 巾着も貰って頂けて… さらには名まで呼んで頂けました。それも、二度も…」

「うん!あ、頭も撫でてもらってたね!」

「はい…!嬉しかったです」


お晴ちゃん…

恋する乙女の顔だ。

何て清らかで美しいんだろう。


「でも、最後 何も話せなくなってしまって…… まともにきな粉餅の御礼も申し上げられずで御無礼極まりないことを………」

「大丈夫だよ!今度会ったときにお礼を言えば、話のキッカケにもなるんじゃない?」


そうアドバイスすると、お晴ちゃんがホッとした顔で笑う。


「ああ、そうですね…!莉菜様、ありがとうございます…!」


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