第2章 天邪鬼とツンデレの違い〜家康・幸村〜
突然名前を呼ばれてあかりは驚いた。
あかり「うひゃ、い!」
幸村「ぶっ…。なんだ、その返事」
幸村は吹き出しながら、さっきまでの雰囲気と違い、優しく笑った。
あかり「だっ、だって…!」
あかりが反論する前に幸村が被せて言った。
幸村「それ、お前にやるよ。」
あかり「………へっ?」
幸村「だーかーら、…ほらっ。」
幸村があかりの髪を器用に纏め、そこに簪を刺した。
幸村「ん、馬子にも衣装だな」
あかり「ちょっ!!??酷い!幸!
…でも、そんな悪いよ。これ、商品なんだし、何だか簪が可哀想だよ。」
幸村「…んじゃぁ、俺からの贈り物っていうことにしとけ。」
あかり「幸から…?」
幸村「そー。なら、別にいいだろ。」
あかり「え…でも…」
幸村「なら、明日は俺と一緒にいろ。」
あかり「……逢瀬?」
あかりは冗談っぽく幸村に話した。
が、幸村は少し顔を赤くし、照れながら真剣に言った。
幸村「っ!///おー……そのつもりで来い。この時間に、ここ集合な。それ、付けてな。」
冗談のつもりだったが、幸村が真面目に答えたので今度はあかりが赤くなった。
すると、今まで黙って話を聞いていた家康は
あかりの手を握り、
家康「…いくよ。」
と言ってやや強引に安土城の帰路を歩いていった。