第4章 西方組織抗争
あれから更に数日経った。
中也と私は敵の動きに警戒し、交代で何方かは拠点に居るようにしていた。
しかし、怖いくらい何も起こらなかった。
そんな時、首領から敵連合組織の殲滅命令が出た。
大小合わせて一七の組織だ。勿論、異能組織ユートピアも含まれていた。
中也と私は執務室にて準備と作戦立案に取り掛かっていた。
「中也、何処から行く?」
中也も先程からずっと殲滅リストと睨めっこしていた。だが、考えは纏まらない様子だ。
「一番手っ取り早く終わンのは最大組織ユートピアを先に殺っちまうことだが…」
「そうだね。でも相手の異能も判らないのに拠点に飛び込むのもねぇ」
「ヤケに慎重じゃねぇか」
中也はちらりと私を見た。
私は中也に何かを訴える様な目で、黙って何も返さなかった。
「…判った!手前の好きな様にやってみろ!」
「中也、有難う!」
私はにっこりと満面の笑みを浮かべた。
たぶん、中也なら先にユートピアを落としにかかるだろう。だが、今突っ込むと何か不吉な事が起こる気がしてならなかった。少しでも多く此方が有利になる作戦を立てる時間が欲しかったのだ。
「中也、先ずは此れね」
前もって用意をしていた作戦立案を中也に渡した。
その作戦書を読んだ中也は苦笑して言った。
「この展開も読めてたって訳か」
私は返答の代わりに微笑んだ。