第4章 西方組織抗争
買ってきた食材を冷蔵庫に移し
そして、夕食の支度を始めた。
時間が時間のため
簡単なもので済ませようと思った。
その時だった。
ピンポーンーー
呼び鈴が鳴った。
こんな時間に誰かと思い
モニターを確認した。
其処にはオートロックのドアの前で
不機嫌そうに佇む中也の姿があった。
私はすぐにオートロックを解除した。
少し待つと
次は玄関扉のチャイムが鳴る。
恐る恐る開けると
やはり、中也だった。
「どしたの?」
「あァ?俺も此処に住めって言われてただろ」
「どーぞ」と私は中也を部屋へ上げた。
「ンだよ。飯未だだったのか」
台所にある作りかけをみて中也が言った。
「これから食べる所。
中也も食べるなら準備するけど」
「食う」とだけ告げて私に自分の部屋は何処か尋ねて部屋に入って行った。
私はまた夕食の準備を始め、直ぐに完成させた。
中也も着替えて食卓に座った。
「時間も時間だったから簡単な物にしたの。
オムライスだけど佳い?」
「ああ」と短く答えて「頂きます」と食べ始めた。
無言で続く食事。
私も中也もなにも発さない。
(中也、怒ってる…?)
「なんだ?」
ふと、中也と目が合った。
「厭、なんか
怒ってるのかな?って」
「別に怒ってねェよ」
「じゃあなに?」
中也はスプーンを置いて言った。
「手前は本当に俺と一緒でいいのかよ。普通厭がるもンだろ。
上司だからって男と一緒で」
「何を今更。訓練の時なんて皆んな一緒だったんだよ。
中也は元から強かったみたいだから、戦闘訓練なんて受けてないと思うけど。
それに、今回の任務は抗争になるかもしれない大切なもの。此処はその敵の縄張りよ。
中也は強いから撃退できるけど、私は中也みたいに強くない。
でも、この家なら窓は最上級の防弾硝子。
高層階だから下から攻めてきても自分の異能力で逃げられる。
姐さんは判ってたんだと思うよ」
「そう云うものか?」と中也は納得半分、不満半分の様子だ。
「あ、でも
姐さんの悪戯も二割くらいは入ってたカモだけど」
「だよな」と呆れ顔になりまた食事を再開した。