第4章 西方組織抗争
拠点周辺の調査を終えて
私達は戻ってきた。
「周辺のカメラの位置は把握したよ。
たぶん、ハッキングもできると思う。
明日はこの辺りを見てくるよ」
「そうだな。悪ィけど、明日俺は行けねぇ。
首領に別件で遣いを頼まれててな」
「あらら」と私は答えた。
「首領も余裕があるのね。
抗争になるか、ならないかの時に」
「それだけ俺達を
信頼してるってことじゃねェか?」
「そう云うものかな?」と首を傾げながら
荷物をまとめ始めた。
「少し早いですがお先に失礼します」
「なんかあンのか?」
「初日なんで荷物整理を」
中也は少し厭そうな顔で尋ねてきた。
「……本当にあの家に行くのか?」
「姐さんからの御厚意だもん。
無碍にできないよ。
厭なら中也は別で構わないよ」
私はヒラヒラと手を振って部屋を出た。