第4章 西方組織抗争
姐さんと中也は
応接室の椅子に座った。
「何じゃ葉月。
お主も座らんか」
姐さんは中也の後ろに立っていた私に声を掛けた。
「流石に幹部二人と一緒に触るわけには…」
これから行うのは任務の話だ。
先刻までの和気藹々な雰囲気とは違い
其々の立場関係が表立ってくる。
現に姐さんの部下は立って待機していた。
「姐さんが佳いって言ってンだ。
俺も構わねェよ」
中也も振り返り催促してくる。
「葉月。
主らは鴎外殿が遣わした客人。
それに、主は幹部になっていても
可笑しくはないではないか」
追い討ちをかけるように姐さんは言った。
確かに、幹部の話は一度浮上したが
私が断った事により今はもう埋まっている。
太宰さんの席を除いて。
私は渋々、中也の横に座った。
「うむ」姐さんは満足そうに笑った。
● ● ●
「以上が部下が調べた情報じゃ」
「姐さん。この組織って…」
中也は名前が上がっている幾つかの組織のうち
一つを指した。
「主も気付いたか。
其処はこの辺りでは最大の異能組織じゃ」
「今回の首謀者はもしかして…」
「…こりゃァ長ェ戦いになりそうだな」
中也はニヤリと笑った。