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暗闇の蕾【文豪ストレイドッグス】

第4章 西方組織抗争


車に揺られていると
この街の中心部のとあるビルに着いた。
様々企業が入っている複合ビルだ。
だが、どの企業もポートマフィアの傘下企業である。

私達は地下駐車場からエレベーターに乗り込み
拠点となる階層に向かった。
本部と同じ、硝子張りのエレベーターからは
街を一望できた。

「面白ェか?」

外を眺めている私の様子が楽しそうに見えたのか
中也は尋ねて来た。
そして、中也も外を眺め始めた。

「如何です?」

「…悪くねェな」

「あ、中也さん。着きますよ」

電子文字の階数表示が目的の階に到達した。
エレベーターから降り、そのまま応接室に通された。

「久しいな」

そこにいたのは、別の任務で此方に来ていた
紅葉の姐さんだった。

「姐さん!お久しぶりです!
今回の任務の楽しみは、姐さんに会うことだったんですよ!」

私は姐さんに駆け寄って行った。

「葉月は本当に可愛いのう。
中也もこれくらい素直になったら如何なのじゃ」

姐さんは私の頭を撫でながら言った。

「姐さん。俺達は遊びに来たわけじゃないンで」

「判っておるわ。そんなこと。
何じゃ?羨ましいのか?
仔犬のような葉月を私が可愛がるのが」

姐さんは口元を隠しながらふふっと笑った。

「なッ!?そんなんじゃッ!
葉月も何時まで其処にいンだよ!
さッさと仕事すッぞ!」

はぁ、と小さな溜息を吐き乍、姐さんは私を放してくれた。
私は中也の斜め後ろに戻った。
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