第3章 【SS】中原中也の幹部昇進祝賀会
しばらく探したが
お目当ての人物が見つからない。
芥川龍之介。
今日は殲滅任務も入っていないはずだ。
仕方がなく私は
廊下の端により
芥川くんにメールをした。
すると直ぐに
【承知しました】
と返事があった。
私はホッとし
携帯を閉じようとした時
「何してンだ?こんな所で」
驚いた私はゆっくりと声のする方へ振り返った。
そこには、今日のサプライズの主役
中原中也、本人が立っていた。
「あ…中也さん」
私は少し焦っていた。
今のメールを見られたのではないかと。
「はぁ…あのなぁ」
中也は呆れ顔で言った。
(あぁーやっぱサプライズバレたー!
姐さん。ごめんなさい!)
「その中也さんって
確かに俺が幹部になって部下の手前が呼び捨てだと
他の奴等に示しが付かないから
他人がいるときは許可したが
二人の時くらいはまた中也って呼べよ!」
「……へ?」
私は呆気に取られた。
(あ…バレてない?)
「何阿呆面してンだ。
わかったのか?」
「あ…うん」
私は流れで返事をしてしまった。
正直、サプライズがバレるかバレないかの瀬戸際で
あまり中也の話を聞いていなかった。
「じゃあ行くぞ!」
「え?何処に?」
「任務だよ!
姐さんが帰ってくるなり頼まれてな。
葉月も付き合え!」
私は中也に引きずられながら
本部を出た。