第2章 黒の時代
ロビーに着くとウロウロとして落ち着かない葉琉がいた。
「どうしたの?葉琉」
葉琉は私に気が付くとポロポロと涙を流して抱きついて来た。
「葉月!どうしよう。
……うっ…織田作の所の子どもたちが…ミミックに殺されたの…!
…ひっく……織田作…行っちゃったぁ!」
そう言ってわーっと泣き出した。
私はこの間考えていた最悪の台本を思い出した。
とても酷似していた。
自分でわかるくらい血の気が引いた。
葉琉を抱きしめ太宰さんは?と聞いたら。
「治ちゃんは首領の所に行ってる。
……織田作を助けるため…」
葉琉は待機させられているそうだ。
たぶん、首領は太宰さんを行かせるつもりはないだろう。
私は葉琉の頭を撫でた。
「大丈夫…大丈夫だよ。
私も首領の所に行ってくる」
葉琉を離し近くにいた黒服の構成員に預けて首領の所へ向かった。