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暗闇の蕾【文豪ストレイドッグス】

第1章 月に吠える


葉琉が前に出した手の先に
幾多もの氷の粒が現れた。

「いけーーっ!」

葉琉の掛け声と共に
氷の粒が一斉に中也に向かって飛んで行った。

「ーチッ!」

自分の質問に返答が無かったことにイライラさせながら
中也は攻撃を躱した。

「ポートマフィアに喧嘩売ろうってかァ!?
いい度胸じゃねェか!!
餓鬼だろうが容赦しねェぞ!!」

中也は真正面に突っ込んで行く。
あと二米というところで足元から氷の柱が出てくる。
それをバク転で躱す中也。

「あんた…ポートマフィアなの…?」

葉琉が構えながら質問を投げかける。

「だったら何だってンだァ!?」

葉琉の様子を伺いながら聞き返す中也。
葉琉だけではない。葉月からも視線を外さない。
葉月は床に手を付き構えていた。
先程の氷柱は葉月の仕掛けたものだった。
葉琉は視線を中也から外さずに葉月に問いかける。

「ポートマフィアなら…標的だよね?
殺してもいいんだよね…?」

「……うん!」

葉月の顔つきも変わる。
先程まで殺気も感じられない不安な表情から一変
殺気に満ちた好戦的な表情に変わる。

「葉琉…行くよ…!」

葉月の掛け声と共に中也の足元が凍りつく。

「なッ!?足が…!」

中也の足が床から離れない。
一緒に凍りついていたのだ。
すぐに葉琉が仕掛ける。
先程と同じ、氷の粒が中也を襲う。
だが、それは中也に中る寸前で砕け散る。

異能力ー汚れつちまつた悲しみに

中也の周りに赤いオーラがほとばしる。

「「異能者!?」」

二人の少女は驚きを隠せない。

「次は此方の番だ!
行くぜェ!?」

中也が足元の氷を砕き二人に突撃しようとした。
その時だった。
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