第2章 黒の時代
自宅への帰り道、頭の中ではぐるぐると今回の件が渦巻いていた。
首領は最初から織田作さんをミミックとあてるつもりだった。
その結果、共倒れになろうとも…。
だが、織田作さんは有名な殺さないマフィアだ。
首領もわかっていたはず。
織田作さんは本気で殺しには行かないことを。
じゃあ次の手は?
戦闘だと中也や葉琉がいる。
だが、今回の敵は未来予測の能力者だ。
例え戦闘を得意とする二人でも中らなければ意味がない。
あーやだ。
考えが随分とマフィアらしくなってきた。
そりゃそうだ。
あの首領の右腕、太宰さんからイヤと言うほど学んだ。
時にはとても非情な作戦も立てた。
それが論理的最適解だったからだ。
ならば今回の作戦の最適解はーーー?
頭に浮かぶのは最悪な台本
流石の首領もそこまではしない…だろう。
……そう思いたい。
「ーーーーいッ!おい!葉月!」
肩をぐいっと引っ張られハッと我に帰った。
「……中…也…!」
私はそこにいた意外な人物に目を丸くした。