第2章 黒の時代
ポートマフィアに入って数ヶ月後、私たちは二人で徒歩十五分のところにマンションを購入した。
そのマンションに帰宅途中、私はある光景を目撃した。
そこには二人で楽しそうに歩く中也さんと葉琉の姿があった。
太宰さんの補佐を行っていたため
単独の任務は太宰さんとが多かったが
太宰さんと中也さんは双黒と呼ばれる黒社会の伝説のペアである。
そのため四人で仕事をこなす事も少なくなかった。
いつしか私は、中也さんが気になっていた。
この気持ちが愛とか恋とかに該当するのかと聞かれると
正直まだ答えはわからないままだ。
ただ、いま目の前で繰り広げられている光景は
あまり心地の良いものではなかった。
その光景を避けるように路地に入り
深呼吸をした。
誰も見ていないことを確認すると
自分の足元に氷の柱を出現させた。
異能力ー氷島
目の前にある建物の屋上に何事もなかったかの如く降り立った。
こんな異能力の使い方したら首領に怒られるかしら?
そんなことを思いながら
私はそのまま異能力を使い建物から建物へと渡り歩いて行った。