第2章 黒の時代

コンコンッー

「萩原葉月です。」

直ぐに扉が開いて葉琉が飛び出してきた。

「葉月！おめでとう！準幹部に昇格したって！？」

葉琉は私以上に喜んでいた。
葉琉は入って入ってと私の腕を引っ張った。

「ちょっと葉琉！落ち着いて！」

私はされるがまま執務室のソファに座らされた。
奥からは中也さんが珈琲を三つ運んできた。

「おい葉琉！これ男の俺がすることかァ？」

と納得出来ない様子だ。

「しょうがないよ！私できないもん！
それに、中也の珈琲美味しいから！」

葉琉はにっこりと笑いながら珈琲を受け取る。
中也さんも褒められて満更ではない様子。

「珈琲じゃ恰好つかねェけど今日は許してくれ。
また、改めてお祝いすッから！」

私も持ってきていた荷物を床に置き珈琲を受け取った。

「えーーーっと…何に乾杯？」

「莫ー迦。そりゃア葉月の準幹部昇進だろ！」

「そっか！」

目の前で繰り広げられる天然なやり取りに唖然としていたら
葉琉が珈琲を掲げて

「葉月の昇進に乾杯！！」

と、音頭を取った。
それに合わせて三人で静かにカップを合わす。
珈琲が熱い事もありゴクゴクとは飲めないが
雰囲気は出ていた。
私は二人に「有り難う」と伝えた。