第2章 黒の時代
幹部の執務室と中也さんの執務室はフロアが違う。
私は少ない荷物が入った箱を抱えながらエレベーターに向かった。
ーチンッ
下りエレベーターには先客がいた。
「こんにちは。芥川くん。
一緒に良いですか?」
「葉月さん…どうぞ」
芥川くんは開くボタンを押してくれた。
「有り難う」
私は急いでエレベーターに乗り込んだ。
芥川龍之介
異能力ー羅生門
太宰さんがいま一番気に掛けている子だ。
「中也さんのと組むそうですね」
珍しく芥川くんから話かけてきた。
「そ!太宰さんは明日から妹の葉琉と組むんだ。
葉琉と交流する機会が増えると思うからよろしくね」
「はい」
芥川くんは短い返事をした。
その直ぐ後、私の目的の階に到着した。
「それじゃあ。芥川くん。
ボタン有り難う」
そう云うと私はエレベーターから降りて目的の部屋へ向かった。