第12章 DEAD APPLE
安吾は言われた通り、そのチップをパソコンで読み取り、表示する。画面に現れたのはヨコハマの地図。その地図上に赤い光が点滅している。
「これ、GPSかな」
呟く葉琉に中也も同意する。どうやら葉月の着けているネックレスの位置を表しているようだ。場所はヨコハマ租界の骸砦。澁澤や太宰が居るとされている処だ。
しかし、その情報は既に中也も葉琉も安吾から聞いている。
「どう思う?」
葉琉の問いかけに中也は「さあな」と答える。だが、葉月のことだ。何か意図があってこれを準備した筈だ。
一呼吸置いて、安吾が中也と葉琉に向き直る。その表情は躊躇いがちに、しかし、決意も孕んでいた。
「お二人共、宜しくお願いします」
そうだ。これから反撃の狼煙を上げねばならない。
その為に呼ばれたのだから。