第11章 【SS】海辺の休日
暫く色々なお店を回っていると、葉月が脚を止めた。
「如何した」
「ねぇ、中也。花火したい」
「はァ?」
葉月の視線の先には様々な花火の詰め合わせが並んでいた。
「……手前幾つだよ」
「花火やりたい気持ちに年齢関係あるの?」
はぁと溜息を吐いた中也は葉月と一緒に花火を見始めた。
「これなんてどう?噴射するんだって」
「あァ?花火っつったら打ち上げだろ」
「手持ちもやりたいなぁ」
何時の間にか持っていた籠に次々と花火が入れられていく。気付くと籠に一杯に花火が入っていた。
「……これ全部購うのか?」
「だめ?」
「駄目じゃァねぇけど、二人でこンなに出来ねぇだろ」
葉月は「そっかぁ」と残念そうな表情を浮かべる。中也は少し考えてから「余ったら持って帰るぞ」と云って籠一杯の花火を持って会計へ向かった。
戻って来た中也は「ほら、行くぞ」と手を出した。