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暗闇の蕾【文豪ストレイドッグス】

第11章 【SS】海辺の休日


葉月は二人分の食器を下げ、席に戻り中也を待っていた。

「ねぇ、お嬢ちゃん。可愛いねぇ、高校生?」

最初は声を掛けられている事に気が付かなかった。目の前に急に現れた男が「聴いてる?」と尋ねて来たので自分が呼ばれていると自覚した。

「私?」

「そうそう!こんな平日の昼間から学校サボってるの?悪い子だね〜」

男は二人いた。如何やら学生と勘違いされているようだ。二人の男はたぶん葉月より年下だろう。

「ねぇねぇ!一緒に遊ぼうよ!」

これが軟派と云う奴なのだろう。初めての経験に驚いたが、それと同時に彼等のぐいぐいくる勢いに負けそうになっていた。

「済みません、連れがいるので…」

「連れの友達?全然一緒でいいよ!」

「いや…あの……」

此処が公共の場で無ければこんな奴ら瞬殺していただろう。だが、此処は公共の場で、彼等は一般人だ。対応を間違えれば大騒ぎになってしまう。如何しようか悩んでいると、一人の男が葉月の腕を掴んだ。

「ね、ほら」

「一寸!放して下さい!」

もう蹴りを入れて仕舞おうか、そう思った時だった。
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