第11章 【SS】海辺の休日
「却説、そろそろ戻ろう」と云う首領の掛け声ど共に一同片付けを行いバスへ乗り込んだ。
宿に着くと夕食まで各自好きな事を、と言うことだったので中也と葉月は部屋へ戻った。
「楽しかったねぇ、中也」
にっこりと満足気に笑う葉月に中也は「そうだな」と返す。葉月はシャワーを浴びようと着替えを持って「お先に」と言い残し風呂場へ駆けていく。中也は煙草を取り出しベランダへ吸いに出た。
暫くすると、来た時と同じ服装に戻った葉月が出てきた。少し子供っぽくなった気がする。たぶん、巻いていた髪がとれ、化粧もしていないからだろう。葉月はそのままダブルの寝台へ飛び込んだ。
「疲れたー」
あまり人前では見せない行為だが、実は葉月が大雑把な事は中也も知っている。
「折角の服に皺付くぞ」
中也の言葉に手をヒラヒラと振って返す葉月に「仕様がねぇ奴だな」と呟いて、中也も風呂場へ向かった。
中也が出ると葉月の体制は変わっていなかった。それ処か寝息まで聞こえてくる。そっと覗くと案の定すやすやと眠っていた。
「ッたく、はしゃぎ過ぎだ」
そう呟くとそっと頭を撫でた。時計を確認すると、夕食の時間まであと一時間ほどある。中也はそのまま葉月を寝かせてやる事にした。