第11章 【SS】海辺の休日
試合を観ているとエリスが後ろから抱きついて来た。
「葉月、海に行きましょう!」
葉月はよろけたが何とか踏み止まり振り向いた。
「エリス嬢、もう試合は観ないのですか?」
「彼処で観てるとリンタロウが煩い」
エリスが敷物の方を指差した。首領は「エリスちゃ〜ん」と手を振っている。エリスと一緒に海に行きたい気持ちは山々だ。だが、今は中也の試合が行われており、葉月も試合を観ていたい。チラリと中也を見ると、葉月の状況を把握したのか行ってこいよと目で合図を送ってきた。葉月はごめんねと手を合わせる仕草をすると、中也は笑い返してくれた。
「エリス嬢、行きましょうか」
「うん!」
葉月は上着を樋口に預けると、エリスと海へ飛び込んだ。