第10章 華麗なる幕引きを
首領は少し驚いたように「何だね?中也君」と応えた。
「組織が落ち着き次第、俺と葉月に三日程休暇を頂きたいのですが、宜しいでしょうか」
首領と紅葉は目をパチクリとさせた後、笑い出した。
「そうかそうか。あの中也がのう」
「中也君も葉月ちゃんも働き詰めだったからねぇ。うん、良いだろう」
首領は快諾してくれた。それどころか或る封筒を中也に渡した。
「丁度頂き物があってね、良かったら使ってくれ給え」
中也は首領から封筒を受け取り、中身を確認した。それは、とある海辺のホテルの宿泊券だった。
「宜しいのですか?」
「構わないよ。君達も今回の戦争では頑張ってくれたからね」
「有難う御座います」
中也は恭しく礼をすると、再びワインに口を付けた。