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暗闇の蕾【文豪ストレイドッグス】

第9章 双つの黒と蕾の運命


紅葉と別れ執務室へ戻った。着替えを手に仮眠室へと向かう。服装が葉琉に似せた儘では拙いと思い予め用意しておいた物だ。着替えを済ませ、先刻見ないようにしていた机を見る。

「……」

机の上は書類が山となっていた。今回の被害状況やらの報告書だろう。中也が外に出突っ張りの為、書類が其の儘になっていた。葉月は渋々その書類の山に手を付けた。処理を行っては新しい書類がやって来る。その繰り返しだった。

数時間は経過しただろうか。疲れ切った顔をした部屋の主人が戻ってきた。

「お疲れ様です。書類は粗方片して置きました。あと残っているのは私では処理が出来ない物です」

「おぅ」

中也は席に座ると一服を始めた。葉月は直ぐ様珈琲を持って来た。

「昨日の事、本当に済みません」

「終わった事をとやかく責める気はねぇよ。でもな、この手紙はもっと細かく書けねぇのか」

中也が取り出したのは、昨日葉月が用意し中也の煙草に隠した手紙だ。

【Qの痣が出現する構成員が居るはずです。直ぐに隔離して下さい。街でも暴動が起きるでしょう。処理頼みます。私は単独でこの暴動を止める手立てを探します。】

と、のみ書かれた物だった。

「あぁ」

「あぁ、じゃねぇよ!こんなのいきなり煙草から出てきたらはァ!?ってなるだろ!」

「それは済みません。でも、中也なら何とかしてくれるかなって」

にっこりと笑い乍言うと中也は大人しくなった。
その後、探偵社に行ったことや漂泊者を使った事などを話し、納得してもらった。話が終わる頃、首領から呼び出しがかかった。
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