第8章 三組織異能力戦争
中也との通信を終えた首領は「先ずは一点先取」と笑顔を浮かべていた。
「勿論、最後に残るのは我々だ。三組織異能力戦争の開幕だ」
首領は次の手段を進めるように部屋を出た。
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「お疲れ様、中也。はい、此れ次のやつ」
葉月に渡された封筒を確認し思わず溜息が出る。
「葉月、次は一人か?」
「首領に許可を貰ったから樋口ちゃんと銀ちゃんと行ってくるよ。樋口ちゃんも本当は芥川君について行きたかったみたいだけど、今回は壊しがいのある任務だから梶井君と行っちゃってね。ほら、私の任務は異能者関係ないから」
中也は資料を封筒に仕舞うと「なら、良かった」と呟いた。
「そんなに私と太宰さんが接触するの心配?」と尋ねると拗ねるように「あァ」と答えた。そして葉月に近づくと小さい接吻を落とす。
「じゃあ行ってくる、葉月」
「気をつけてね、中也」
中也は翻り部屋を出て行った。