第1章 月に吠える
地下駐車場からエレベーターに乗り、4人は最上階に着く。
目の前に広がる首領の部屋へと続く廊下をゆっくり進み始めた。
「あーぁ。中也が暴れ出すから遅くなっちゃったじゃないか」
太宰は自分は決して悪くないと言わんばかりに中也をみた。
「あれは手前が仕掛けて来たンだろが!!」
そうだこうだ云っているうちに大きな扉の前に着いた。
「首領。萩原さんの双子のお子さんを連れて来ました」
扉の前で太宰が声をかけると男の人の声がした。
「入り給え」
ゆっくりと扉が開くと中には椅子に腰かけた森さんと呼ばれる男性と
其の後ろでは画用紙に絵を描いている金髪のお人形のような少女がいた。
森鴎外
異能力ーヰタ・セクスアリス
「やァ!葉月君、葉琉君!
大きくなったねぇ。初めて会ったときは
まだ産まれたばかりだったからねぇ」
やけにテンションの高いこの人がポートマフィアの首領、森鴎外なのだろう。
「15歳と聞いていたけど、いやぁ実に素晴らしい!」
何故か熱い視線で見つめられる葉月と葉琉は引いていた。