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暗闇の蕾【文豪ストレイドッグス】

第1章 月に吠える


「リンタロウ、気持ち悪い!」

後ろの少女がジト目で森を見る。

「ごめんよ!エリスちゃん!」

慌ててエリスちゃんと呼ばれた少女に駆け寄ってお菓子を与えていた。

「首領。
この二人が、ウチに入りたいそうです」

其の様子を無視して太宰は森に声をかけた。

「詳しい話は聞いているよ。
いいだろう。好きにし給え。
ただ、君たちが欲しい資料だけど…」

そう云ってゴソゴソと封筒を取り出す。

「この中にある。
ただし、この情報はまだ君たちには見せられない。
見せたところで何もできないと思うがね。
マフィアになるならまず、其れ相応の訓練からだ。
君たちが本当に強くなったとき、この情報を渡そう」

森はそう云って封筒をしまった。

「それでもいいかね?」

葉月と葉琉はお互い見つめ会って頷き合った。

「「父の復讐のため、この御身ポートマフィアに捧げたいと思います」」

「……よろしい。期待しているよ」

二人の答えに満足したのか森は薄い笑みを浮かべながら云った。

「夜も遅い。終わりにしようではないか。
中也くん。このお二人を仮眠室までお連れしなさい」

「わかりました」

中也は帽子を胸にあて、深々と頭を下げた。

「では。失礼致します」

そう云うと中也は二人に声をかけた扉まで促した。

「あ。太宰君はちょっと残ってね。
大切な話があるから」

森に呼び止められ太宰は無言でその場に残り
中也、葉月、葉琉の3人はその場を後にした。
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