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暗闇の蕾【文豪ストレイドッグス】

第6章 時として望まぬとて


夜も更け、更々寝ようかと考えていた時、携帯に着信があった。画面を見ると【中原中也】の文字。

「はい、萩原です」

『おう、まだ起きてたか?』

「丁度寝ようかと思ってた所」

『そうか…』

「うん」

『姐さんから話聞いたぜ。葉琉に遭ったらしいな』

「情報が早いことで」

『それで…手前は葉琉と話したのか?』

「話してないよ。太宰さんとは話したけど」

『あの糞鯖の話はすンな。苛々する』

「あはは、ごめんね」

『明日の夜には帰れそうだ』

「あら、意外と早かったね。其方は落ち着いたの?」

『落ち着かせたンだよ。手前が早く帰って来て欲しそうだったからな』

「早く帰って来たかったのは中也でしょ?」

『まぁ、否定はしねぇ』

「それで?態々如何したの?」

『……いだったんだよ』

「え?何?」

『葉月が心配だったンだよ!何度も言わせンな!』

「…………」

『なんか言えよ!』

「有難う。やっぱ中也は優しいね」

『……おう』

「もう遅いし、寝るね。おやすみ、中也」

『あぁ、おやすみ葉月』

そう言って電話を切った。
まだ耳に残る中也の声を忘れない内に布団に入り、眠りについた。
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