第1章 月に吠える
葉琉は目を大きく見開いて葉月をみた。
葉月の肩を掴み叫んだ。
「何云ってるの!?
私たちがマフィア!?正気なの!?」
葉月は葉琉に向き直り応えた。
「本気よ。この復讐は私たちだけでは限界があるもの。
それに、お父さんがいた組織ならもっと手がかりが見つかると思うの。
それに復讐を終えてももう、私たちには光の世界はないわ。
あの頃には戻れないもの」
「……お姉ちゃんが行くなら」
「ふふっ。こんな時ばかりお姉ちゃん頼り?
葉琉はしょうがないはね」
そう云って次は葉月が葉琉の頭を撫でた。
「話は纏まったかァ?迎えだ」
そう云って中也は迎えに来た黒い車を指した。