第4章 西方組織抗争
食事を終えて食器を片付けた私は、中也に呼ばれてソファに座った。テレビを観ながらワインを飲む。
「おい、葉月」
中也は赤くなった顔で私を呼んだ。
少し危ないと感じた。
この展開は前にもあったものに類似している。酔った中也は何をするかわからない。その事は判っていた。
「あ!そろそろ寝なきゃ!シャワー先に使うね!」
そう言うと私は立ち上がりそそくさとシャワー室に向かった。
後ろで中也の舌打ちが聞こえた様な気がしたが気にしない事にした。
シャワーから上がると、中也は別のワインを開けて飲んでいた。
「そのまま寝るね。おやすみ」
「おう」
中也の短い返事を聞いて私は自分の部屋に戻り、寝台に横になった。
● ● ●
凄い温かかった。
安心できる温もりを感じた。
まるで、抱きしめられている様な……
「!?」
私は勢いよく目覚めた。だが、身体は思うように動かない。
何故か後ろから寝息が聞こえる。私は恐る恐る首だけで振り向いた。
(嘘でしょ!?)
後ろでは中也が私を抱き締めながら眠っていた。
私の身体はガッチリとホールドされていて動かない。
「一寸!中也!中也!」
幾ら呼んでも起きない。
窓の外は少し白んで来ていた。もう一眠り出来る時間だがこんな状態だと目が冴えて眠れない。私はそのままの状態で中也が起きるのを待った。