第4章 西方組織抗争
帰り道、買い物を済ませて家に戻った。
そして二人で調理に取り掛かった。
「凄い包丁捌きね。嫁にでも行くの?」
中也の手元を覗きながら私が言うと、中也は凄い厭そうな顔を私に向けた。
「冗談だって。ごめんね」
そう言って私も自分の作業に戻った。
誰かと料理をしたのは本当に久々だった。葉琉が居なくなってからはその後に仲良くなった樋口ちゃんくらいだ。それももう一年ほど前になる。
二人で出来上がった料理を食卓に並べた。予想よりも量が多くなってしまった。
「こんなに食べれるかな?」
「何とかなるだろ」
「あ、中也にプレゼントがあるの!」
そう言うと私は中也に一つの箱を渡した。中也は直ぐに中身を確認した。
「お、いいねぇ」
中からは赤ワインが出てきた。中也はグラスを二つ用意し、ワインを注ぎ始めた。
「いいよ!私やるよ」
「いいから葉月は座ってろ」
そう言って中也はワインの注がれたグラスを二つ運んできた。
私は言われた通り着席した。中也もグラスを置いて座る。
「今回の戦いの勝利に」
中也が私を見つめながらワイングラスを掲げる。
私もそれに合わせて掲げた。
「勝利に」
その後、中也と私は他愛もない話をしながら食事を始めた。