第4章 西方組織抗争
その後も何件か残党の暴動は発生した。その度に中也率いるポートマフィアの構成員が鎮圧にかかった。
ーー数週間後ーー
首領から私に帰還命令が下された。
「私だけですか?」
中也の座る机の前で私は中也に尋ねた。
「次の任務だそうだ」
中也はそう言って私に一枚の紙を渡した。
「…虎探し?」
「指揮は芥川が執るそうだ。手前はその補佐だと」
「成る程……明日には飛びますね」
「だな」
私は任務の紙を見つめていた。そんな私を中也は見つめていた。
「……何ですか?」
中也の視線に気付き尋ねた。
「否、一緒に住んでた割には結局何も起こらず終わったなーって」
「起こるわけないでしょ!莫迦!」
自分の顔が熱くなっていくのが判った。
そんな私の様子を意地悪な笑みを浮かべながら見ていた中也が言った。
「手前、なに想像してんだ?」
中也の揶揄いはこの後暫く続き、私は精神的にぐったりと疲れていた。
「今日、最後の夜だし俺が何か作ってやるよ」
中也は立ち上がりながらそう言った。時計を確認すると十九時を回っていた。
「何かって?」
「飯だよ」
「じゃあ折角だし、一緒に作ろうよ」
そう言って中也と一緒に執務室を出た。