第4章 西方組織抗争
廊下を歩いていると、屋上からモーター音が聞こえた。
「こりゃァ急がねぇとな」
そう言うと壁を突き破り外に出る。そのまま異能力を使い外の壁を駆け上がって行った。
辿り着いついたのは屋上。ヘリはまだ飛び立っていなかった。
中也は急いでヘリに触れる。
「諦めな。もう此れは飛ばねェよ」
男は恐怖のあまりヘリから這い出て、中也とは反対方向へ逃げて行く。
「往生際が悪ィな。もう逃げ場ねぇだろ」
中也は呆れ顔でゆっくりと追い詰めて行く。
屋上の端まで来ると男は振り返った。そして、ニヤリと笑って屋上から飛び降りた。否、正確には降りたのでは無い。男の身体は浮いていた。
「はははっ!此処まで来れば貴様も追って来れまい!」
中也ははぁと溜息をついて、帽子を抑えた。
異能力ー汚れつちまつた悲しみに
すると先刻触れたヘリが宙に浮き、男に向かって飛んでいった。
「痛ッ!」
ヘリは男に命中し、そのまま男なら上に乗っかる状態になる。
中也はその上にヒラリと上がる。
「手前も異能者だったのか」
「なっ!重っ!」
中也は浮いてる男の上にあるヘリに重力負荷を掛けていく。
「そのまま潰れな」
そう言うとヘリに掛ける重量を最大にした。
ヘリはそのまま男を潰す様に落ちていった。