第4章 西方組織抗争
ポートマフィアの構成員が集まった。
「では、此処には数名残り後は私達と共に拠点に入ります」
前以て指示を出していた数名は予定通り残り、中也と私、その他の構成員は敵拠点の建物を目指した。
ユートピアの拠点は五階建のビルを連絡橋で繋げたものだ。
「中也さん、先ずはアレ落としましょうか」
私は連絡橋を指差した。
チッと小さい舌打ちが聞こえた。同時に中也はビルを駆け登り連絡橋の両端を蹴り壊した。
「流石ですね」
『俺はこのまま上行くぞ』
連絡橋の入り口にいる中也から連絡が来た。
「お願いします。下からは構成員を向かわせます」
そう言って自分の後ろにいる構成員に合図を送り、中也のいる建物に向かわせた。
私は中也の入って行った建物と反対の建物に入って行った。
● ● ●
私は構成員数名を連れてビルに入った。
暫くは敵構成員の殲滅だった。何事もなく殲滅して行く。
(此方は大丈夫そうね。中也の方に固まっちゃったか)
もう一つのビルに移ろうか悩んでいた時だった。
『マフィアとは随分若い子が居るのですね。人手不足ですか?』
構成員達は辺りを見回した。
「無駄ですよ。たぶん、館内放送です」
『その通りです。歓迎します。ポートマフィアのお嬢さん』
プツンーと放送が切れる音がした。
「萩原さん、罠です!一度中原幹部と合流しましょう!」
構成員の一人が声を上げた。
「中也さんと合流した所で向こうにも何かしら有るでしょう。それなら此方は私が片付けたほうが合理的です」
「しかし、萩原さんは戦闘員ではありませんし、先日の怪我がー」
「此処に居る時点で多少の無理は承知してます。それに、確かに戦闘員ではないですがそれなりには戦えますよ」
構成員に笑いかけ乍、先に進んだ。