第4章 西方組織抗争
その夜、私達は拠点を移動した。
潜伏していると思われるビルは此処から二粁程離れた所だ。
私は拠点の屋上に上がり、敵拠点の周辺を確認した。
廃ビルや空き家が密集している地域だ。
民間人は居ないようだ。
辺りを敵の下っ端だろうか、二人一組で行動している。
「葉月。様子は如何だ」
「あ、中也さ、中也。ゴロゴロいるよ。面倒くさいからあそこら辺一帯更地にしてくれないかな」
「手前は相変わらず物騒だな」
中也は呆れたように言った。
「それで、出来そう?更地」
「……【汚濁】が使えれば行けると思うぜ」
「それは困った。【汚濁】を使われたんじゃ止める手段がない」
私は双眼鏡を覗きながら淡々と答えた。
「なら、あの辺一帯に上から機関銃っていうのは如何ですか?
あ、大砲級でもいいよ」
中也は深い溜息を吐いた。
「ンとに物騒だなぁ。好きにしろ莫ー迦」
そう言うとヒラヒラと手を振って建物の中に戻って行ったら。
私も立ち上がり、準備の為に建物の中に入って行った。