• テキストサイズ

混合短編集

第3章 ☆【ハリーポッター✕魔法使いの嫁】蝙蝠の子の苦悶


下手したら、預けるなんてことになりかねない。

一度壊れると直すのがクソ大変なんだ、とキレ気味語る母さんは日々大切に扱っている。
面倒事を嫌う母さんらしい。

それを壊したとあっては激怒は必至だ。
手違いとはいえ、実際にぶっ壊した父さんなら良く分かっているだろうさ。

あの恐ろしさは、出来ることなら二度と見たくないものだ。
見てるこっちの心臓に悪い。
確かあの時、弟妹と三人で震えながら見ていたんだっけ。
あー、思い出したら寒気がしてきたぞ。

そんな大惨事をクィリナスにまで起こされては、母さんの胃がもたない。こっちの胃ももたない。
タダで修理は出来ないし、支払った修理費と交通費はとんでもない金額だったから。

クィリナスを父さんと同じ目にあわせるのは、それこそ可哀想というものだ。


ただ。
今のこの状況では、工房に着く頃にはミイラにでもなってるんじゃないかってほど。
クィリナスは真っ青から、真っ白になっていた。

大丈夫なんだろうか。
父さんから散々脅されたって聞いたけど、どんな脅し方をしたらこんなことになるんだろう。
こんな、言っちゃ悪いけどしょぼい脅しにビビってたらやっていけないぞ。
灰になって消えましたなんてジョークはいらない。
いや消えましたならまだしも、教わっている最中にぶっ壊しましたなんてなったら。

笑えない。全く笑えない。


これはフォローが必要だな。

帰宅してからの待ち受ける出来事に、速度の落ちていく景色を横目に俺は深々とため息を吐いた。
父さんもほぼ同時にため息を吐いた。

クィリナスは俺と父さんにため息を吐かれ、半泣きになりながら可哀想なほど飛び上がっていた。

あー、なんかごめん。
でもそれくらい許してほしい。
クィリナスのこれからを案じているんだから。

スパルタな母さんへフォローをしないと、ビシバシしごかれるんだろうな。
では父さんにフォローを頼むかと言いたいが、そも父さんの性格でフォローは無理だ。
そんな器用な人じゃない。よってアウト。
そして、細かな事情を知らない弟妹は駄目。

ほら見ろ。俺しかいないじゃないか。
ふざけんな。
あーあ、帰りたくないなぁ。

「フィリップ、頼んだ」

ほらな。






END
/ 94ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp