第1章 嫉妬はスパイス(縁下力/シンデレラ)
でも、激しいキスは程々にして貰わないと、酸欠で気を失いそうだ。
「キスの、時の…息継ぎ上手く出来なくて、嫌じゃないけど、ちょっと苦しいの。
最後までシて欲しいけど、深いキスが続くのは、辛い…かも。」
ようやく、整ってきた呼吸の中で言葉を押し出した。
「ごめん。」
また謝罪が聞こえて、今度は触れ合うだけの軽いキスが落とされる。
ちゅっ、と音を立てて離れた唇が顎へ、首へ、鎖骨へ。
少しずつ、肌を伝って下に移動した。
ブラウスのボタンを片手で器用に外して、胸の膨らみにまで口付けられる。
そこで一旦顔が上げられて、再び唇が重なった。
ボタンを外し終えた手が背中に回り、ホックを外す。
下着と肌の隙間を沿って胸を包む掌。
ゆっくりと解すように、膨らみを揉まれて。
反応を確認するみたいに、間近で私を見る眼が恥ずかしくて、顔を逸らした。
「…りこ、俺を見て欲しい。」
低く囁く声が聞こえる。
それと同時に、胸に触れていた手の動きが止まった。
すでに先端は強張って、刺激を求めているのに、従わないと続きはしてくれないみたいだ。
恐る恐る顔を向け直すと、しっかりと目が合って。
「そうやって、俺の事だけ見ててくれないかな。」
優しく笑いながら、そんな事を言われたら、頷くしか出来なかった。