第2章 ***
「ハァ…言っとくけど俺、麻衣ちゃんの事しか考えてないからね?浮気とかする余裕ねーし」
「……、和希くん…」
俺が好きなのは麻衣ちゃんだけ。
城山のオナニーを見て興奮するのは男の性(さが)というヤツで…AV見て興奮してるのと同じだ。
……多分。
それから俺は麻衣ちゃんと部屋でのんびり過ごし、何となくイイ感じになってそのままセックスをした。
お互い初めてではなかったが、それでも俺はすごく幸せで…彼女の事をこれから先も大事にしようと固く心に誓った。
これを機に、あの"覗き穴"も封印しようと…
それからひと月程経った頃…
「なぁ頼むよ和希!一生のお願い!」
「だから無理だって」
その日の講義が終わって帰り支度をしていると、俺を呼び止めてきた友人に泣き付かれた。
この後行われる合コンの人数が足りず、ピンチヒッターとして俺に参加してほしいと言うのだ。
「お前もよーく知ってるだろ?俺には可愛いカノジョがいるって事」
「そこを何とか!人数合わせなきゃ向こう会ってくんねぇって言っててさ…。1時間だけでもいいから付き合ってくれよぉ」
「…俺にメリットは?」
「学食1週間分奢る!それでどう?」
「………」
1週間分か…今月ちょっと厳しいし、なかなか悪くない条件かもしれない。
「分かった…今の約束絶対ぇ忘れんなよ?」
「もちろん!よっしゃあ、これで大人のお姉様方とお近づきになれるぜー!」
「…何?相手年上なの?」
「ああ、今回は幹事のヤツのお姉さんの友達呼んでもらったんだ。年上と合コンなんてなかなか出来ねーじゃん?気合い入れねぇとな」
「…ハァ……」
そうテンションの高い友人とは反対に、俺は大きく溜め息をつくのだった…
「カンパーイ!」
大学からそう離れていないお洒落な居酒屋でその合コンは行われた。
初めは乗り気じゃなかった俺も、その場の空気や酒のお陰で徐々にテンションが上がってきて…
「…和希くんてお酒強いの?」
「ま、まぁ…人並みですかね」
飲み始めて1時間…
「席替えをしよう」という幹事からの提案で、俺は"はるひさん"という名の女性と隣同士になった。
美人で妖艶な雰囲気の彼女…正直言ってかなり好みのタイプだ。
麻衣ちゃんとはまた違った大人の魅力がある。
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