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time after time 2

第2章 アンタの茶碗蒸しだけ食べたい


「も充分 反抗的すぎ」

ピュウウウっと周りからの囃し立ての祝福にリョーマは

「先輩たち、うるさいッス」

少し、頬を染めて。
横を向きつつ片足に体重をかけながら。
それでも、の肩を掴む手は幾分か優しくなっていた。

「ついでに言うけど」

すでに、先ほどのキスで自身正直頭がいっぱいで。リョーマの言葉にもただ頷くだけで。
コクコクと首を上下に動かす。

「まだ多分、人生長いけどさ」

ぼそぼそと言葉にならないくらいの音量だけれど
一言、一言、
大切そうに大事そうに言葉を重ねる。

「」

リョーマの視線を感じ下を向いていたは顔を上げその顔を見つめるリョーマと目線を合わせる。

この顔・・・見たことある。

はそう思った。

テニスをしているときの顔。

俺はもっと上に行くよと、言ったあのときの目。

汚れのない、まっすぐな瞳。

どれだけあの瞳に焦がれたか。
どれだけその姿に焦がれたか。

今。

その瞳にが映っている。

リョーマが。

と名前を呼んでいる。

それだけで、もう涙が溢れてきそうだったのに。

「ずっと、着いて来てよ 俺と一緒に」

頬の濡れる、感触。

だめだ、せっかくメイクしてもらったのに。
リョーマに変だと指摘されたけど、ここで泣いたら・・・


「アンタの、茶碗蒸しだけ 食べたい」



見つめられていたその瞳は、から外されて少しだけ下を向きながら。
その後は、軽い咳払いをしての肩から静かに手を退けた。
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