第3章 永遠の幸せ
洗剤のいい香りが振りまく靴下を見つめてはくすっと笑った。
それに対してリョーマはちらりと横を向く。
「なに笑ってんの」
抱きしめた小さな天使をベッドに寝かせて。
もっともっとと、おねだりする小さな手を軽くあやしながら
「思い出し笑いってさ、エロいらしいけど?」
振り返ったその顔は、にやりと笑っていて。
ああ、その顔、その顔が好き
何も変わってないあの頃と。
「リョーマのプロポーズ、思い出した」
負けるかと、リョーマの攻撃の言葉に言い返す。
「あのさ・・そういうことリピートしないでくれる?」
はくすりと笑い少し機嫌の悪くなった腕の中の姿を見つめて。
「お腹すいた?」
ふえっと泣き出す天使をなだめながら、服の裾を持ち上げ膨らみから吸わせた。
ちゅっと音を立てながら手を伸ばし満足そうに口に含んでいく。
ふふ・・とは笑って前に目線を向けると。
いない。
さっきまで目の前にいた旦那様がいない。
と思ったとき。
ふわっと、後ろから包まれる感覚。
筋肉のついた両腕
日焼けした両腕
リストバンドがある手首
リョーマは、両手いっぱいにを包んでいた。
「リョーマ?」
少しだけ露出されたの肩に、リョーマは優しく唇を落とす。
軽く吸い上げたそこに、鮮やかな花を残して。
「リョーマ、どうしたの?」
は、もう一度リョーマを見つめて。
そのときに触れたの頬にリョーマは、キスを繰り返した。
「リョーマ、くすぐったいよ」
音を立てていた、そのキスの嵐はの心臓を高鳴らせて。
リョーマは、を抱きしめながらの肩に額を乗せる。
「なんか、わかんないけど・・結構幸せだって思うんだよね、俺」
下を向いていたせいか、声質は篭っていたけれど・・
はコクンとうなづいた。
リョーマは、顔を上げの耳元でそっと声を漏らす。
「越前・・」
風にゆれる、真っ白な洗濯物がたまにパタパタと音を立てて。
真っ青な空が、その幸せな家庭を見下ろす。
「はい・・・・」
は、リョーマの手を握り締めた。