第2章 ***
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「それじゃあ、おやすみなさい…」
「はい…」
チュッと触れるだけのキスをしてきた水戸さんに見送られ彼女の部屋を出る。
時刻はもうすぐ22時。
結局俺は、あの後本当に彼女を抱いてしまった……普段は旦那さんと愛し合っているであろうそのベッドの上で…
童貞だった俺を優しくリードしてくれた彼女。
興奮と不安が入り交じる中、俺も彼女も共にイく事が出来た。
俺にとっては初めてのセックス…好きな人と体を重ねるのがこんなに幸せな事だとは思わなくて…
(…まだ感触が残ってる……)
柔らかい胸の感触も、厭らしく濡れたアソコの感触も…
今別れたばかりだというのに、もう彼女が恋しくなっている。
(…ん…っ……やば…、)
再び熱を持ち始める自身。
家に帰れば、「遅くなる時は連絡しなさい」と母に咎められたが、俺は適当な返事をして自室へ急いだ。
「はぁっ…」
部屋の鍵を閉め、すぐにズボンと下着を寛げる。
さっきまで彼女の中に入っていた俺のモノはすっかり勃ち上がっていて…
(…かすみさん…っ…)
セックスをしている最中、名字ではなく名前を呼んでほしいと言われ俺は何度もその名を呼んだ。
これまでは勝手な想像で自慰をするだけだったが、今日からは違う…
俺は彼女の魅力的な体も見たし、厭らしい声だって堪能した。
彼女とのセックスを思い出しながら自身を扱けば、あっという間に昇り詰めて…
「ぁっ…、く…ッ……」
今日何度目かの射精をする。
いつもは空しさだけが残る自慰も、今日はどこか満たされている気がした…
そうして俺は、週に一度か二度かすみさんと密会を重ねるようになった。
元々出張が多い彼女の旦那さん。
彼が不在の日を狙っては部屋を訪れ、かすみさんとの激しいセックスに溺れていった。
時には親に「友達の家に泊まる」と嘘をついて、朝まで互いの体を貪った事だってある。
本当はすぐ隣の部屋で人妻を抱いているなんて知ったら、両親は卒倒するだろう…
けれどそんな背徳感すらも、今の俺には興奮材料にしかならない…そのくらいかすみさんの虜になっていたのだ。
そんなある日…
「かすみさん…そろそろいい?」
「…うん……もう入れて…?」
いつものように、俺はまた彼女と体を重ねていた。
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