第24章 いつぞやの会話-約束編-
「ん…すぅ…」
(よく眠っているな…)
「…んん…」
「起きたのか?」
「……すぅ」
「…ふ。本当によく眠っている」
「…エル、ヴィン…」
「ん?」
「…すぅ…」
「寝言か…一体どんな夢を見てるんだい、ナナバ」
「…エルヴィン…」
「夢の中でも一緒かな?もしそうなら、嬉しいよ」
「……ん、ね…」
「…?」
「…ごめん、ね…」
「ごめん…?どうして?」
「…いつも、ひどい事、言って…」
「そんな事ないさ、大丈夫」
「…馬鹿、とか…変態、とか…」
「はは、可愛いじゃないか。うん、可愛い」
「…そんな事、思って、ないのに…」
「あぁ、分かっているよ」
「…恥ずか、しくて…」
「…あぁ、知っている」
「…お願い…」
「……」
「…嫌いに、ならないで…」
「そんな事、あるわけないだろう?」
「…好き、なんだ。エルヴィンのこと…」
「ナナバ…」
「……大好き、だよ…」
「私もだ」
「…夢の中でなら、言えるのに…」
「うん」
「…恥ずかしくて、夢の中じゃなきゃ、言えないなんて…」
「どこでだって嬉しいよ」
「ひくっ……ごめ、ん…」
「ナナバ…?」
「ぐす…」
「お願いだ、泣かないでくれ…」
「…ごめん…ね…」
「大丈夫、大丈夫だよ…」
「…どこにも、いかないで…」
「勿論だ。どこにもいかない」
「…私の側から、離れないで…」
「当たり前じゃないか…君から離れるなど、出来ようはずもない」
「…私も、離れない、から……」
「あぁ」
「……好き…」
「ナナバ、よく覚えておいてくれ」
「…ん…」
「俺は、君の側から離れない」
「…う、ん…」
「そして、君を離す気もない」
「…私、も…エルヴィンの、こと…」
「そうか、同じだな…」
「……ん…」
「もし離れ離れになっても、必ず迎えに行く。必ず…必ずだ」
「…エルヴィン…」
「たとえ何があろうと、君を手放したりしないよ」
「…うん…」
「君は、俺のものだ。どこにもやらないし、誰にも渡さない…」
「…ん……」
「悪いが、諦めてくれ。いいね…?」
「…うん、ずっと…」
「あぁ、ずっと」
「…一緒、に…」
「一緒だよ」
「…よかっ、た…」
「側にいる。安心しておやすみ…」
fin