第1章 いつぞやの会話-選択編-
「エルヴィン、どうかした?」
「ん?あぁ、少し…」
「もし何かあったら、私で役に立てるなら、何でも言って」
「ありがとう。やはり君は優しいな」
「誉めても何も出ませんけどね」
「はは、君らしい。しかし、ふむ…」
「ちょっと、本当に大丈夫?」
「…ナナバ、一つ聞いてくれるか」
「勿論」
「どちらがいいか、迷っているんだ」
「迷う?欲しい物でもあるの?珍しい…あまりそういうイメージないけど」
「君の事だ」
「え、私?微妙に、嫌な予感がする…」
「君は、私から求めれば恥じらう」
「はっ?」
「しかし、夢でみた君は迫ってくれた」
「はぁっ!?」
「恥じらい、拒みながらも、徐々に私を受け入れてくれる君を丁寧に開き…じっくり味わう」
「ちょっと!」
「方や、私に迫る君は実に積極的で…自ら奥深くまで開き私を誘ってくれた」
「…ちょっと、エルヴィン?」
「いや、あれは誘われたのではなく、もしかすると喰われたのか…?」
「…っ!」
「あ、ぃた、いたた」
「エ、ル、ヴィ、ン?」
「っ、どうしたんだ、怖い顔をして」
「誰のせいだと思ってるの?」
「いた、痛い、痛いです、ナナバさん…」
「そうだねそうでしょうね!おもいっきりつねってますから!?」
「いや、その、何というか…、ぁ、痛い、痛いです」
「反省っ!した!?」
こくこくこく
「はぁっ!まっっったく!」
「…すまない、つい」
「本当に、変態だね!」
「仕方ないじゃないか…どちらの君も捨てがたい。できることなら同時に抱きたい」
「な!?馬鹿じゃないの!!」
「ナナバ」
「何!?」
「今夜はどうする?」
「…っ!どうもしないっ!」
「そうか、では私が決めていいんだな。さて…」
「ちょっと、どうもしないから!何もしないから!?」
「…本格的に嫌われたか。はぁ、なんてことだ」
「ねぇ、さっきから何言ってるの…」
「はぁ…」
「ちょっと、エルヴィン?…エルヴィン?」
「……」
「やだ、ちょっと、やめて…何か言ってよ…」
「ナナバ」
「っ、な、何?」
「君が好きだ」
「ぁっ!?突然、何、を…」
「だから、君に任せるよ」
「…はい?」
「どちらにするか君に任せる。楽しみにしているよ」
(…変態!)
fin