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【完結】和菓子と、幼馴染みと……?【轟焦凍】

第6章 和菓子と、恋人と……?




「焦凍くん、少し聞いても良い?」
「なんだ。」


「轟さんと小さい頃、何があったの?」


 そう聞くとお茶を入れていた手は止まり、湯呑みからお茶が溢れかえってしまった。すぐに急須を置き、台所から布巾を持ってきて拭いているが何だか考えているような顔になった。



「言ったら、親父のこと幻滅するぞ。ファンなのに良いのか?」
「……幻滅は聞いてからじゃないと分らない。でも、今は焦凍くんの話を聞きたいな。」


 拭き終わり、台所で布巾を洗い絞って焦凍くんの隣に座った。あまりいい表情をしていない焦凍くん。あまり話したくないのかな?


「無理に話さなくて良いからね!」
「いや、聞いてくれ。」


 きゅっと手を握られて、焦凍くんの方をちゃんと見る。



「あいつ、No.2ヒーローだっただろ。」
「うん。強かったね。」


「……あいつは母さんの個性だけを選んで、個性婚をした。それで、この個性に生まれた俺をオールマイトに負けない強いヒーローになるために特訓つけた。それはすごく辛かった。
そんな俺達を見ていて、母さんは"醜い"と俺の左目に煮え湯をあびせた。」


 小さい頃、焦凍くんが包帯を巻き始めたのは煮え湯を浴びさられたから……?あの優しそうな焦凍くんのお母さんが精神的にくるほどに酷かったんだ。



「……お母さんと轟さんとはその後どうなったの?」
「あぁ、母さんに謝り、そして謝られて和解した。」

 私が知らなくて馬鹿みたいに遊んでいた時に、焦凍くんは壮絶な日常を送っていたんだ。握られていない手で焦凍くんの"醜い"と言われた左目の火傷の痕に触れた。
 
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